本人・ご家族が満足するエンゼルケアのポイント

看護師ことねです。

終わりよければすべてよしというように、最期のケアであるエンゼルケアはとても大切です。エンゼルケアによって、残されたご家族の方の気持ちにも大きく影響します。ご本人・ご家族共に満足して頂けるエンゼルケアのポイントをまとめてみましたのでぜひ参考にして下さいね。

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旅立ちの衣装

現在、最期何を着てもいいという葬儀屋さんが多くなりました。いつ説明し準備するかは、本人・ご家族がある程度死にゆくことを受け入れたときでしょう。お亡くなりになった後よりも事前に準備すると、慌てずにゆっくりと昔の思い出に浸りながら準備ができます。また、ご本人が事前に準備している場合もあります。

思いは人それぞれですので、まずは、ご家族のご希望を必ず聞きましょう。積極にしたい方、すべてお任せする方など様々です。細くなった体を見るのはつらい、いくら体の損傷をテープ等で隠してもショックを受ける方もいます。

手や顔だけしてもらうなど工夫し、「ありがとうございます。ご家族にきれいにして頂き喜んでいると思います。」など必ずご家族に感謝し声かけをしましょう。

皆さんもご存じかと思いますが、生前の姿に近づくようなメイクを心がけましょう。終末期、皮膚の乾燥が強いことが多いので、まずは保湿剤を塗るとお化粧ののりが良くなります。

目が閉じない場合は、脱脂綿を薄い一枚にしてまぶたと眼球の間に入れます。

口が開いてしまう場合は、枕を高くしあごの下にロール状に丸めたタオルを入れ顎を支えるようにして口を閉じます。エンゼルセットに顎の固定バンドが入っていますが、顔に跡がついてしまうことがあるのであまりお勧めできません。

また、入れ歯の有無によっても印象が変わってきますのでご家族に確認をしましょう。

昔は、鼻・耳などあらゆる穴には、必ず綿やゼリーを詰めていましたが、近年何も詰めないエンゼルケア方法も普及しつつあります。ですので、体腔内の残留物をできるだけ排出することが大切です。

口鼻腔内の吸引、横向きにして胃を圧迫して胃内の残留物を出します。尿カテーテルが入っていない場合、膀胱を圧迫すると尿が出てくる場合もあります。便が溜まっている場合もありますので指診をして確認をし必要に応じて摘便をしましょう。上記を省くと、時間がたってから体液が漏れ出てきたり悪臭の原因になります。

葬儀業者がおっしゃるには、臭いを考慮するならば上記の処置にプラスして以前のように腔内に綿またはゼリーを詰めることをお勧めするそうです。

必ずご本人・ご家族が今まで頑張ってきたこと、ご協力して下さったことなどをねぎらい言葉をかけることが大切です。

また、日常のちょっとした思い出をたくさん話せるような関係を築いていきましょう。「あの時、チョコレートを食べた時の喜んだ顔が忘れられない」「子供の頃の思い出を楽しそうに話してくれた」などなど本当にちょっとしたことでいいのです。

そんな思いで話しをすると、ご家族は施設・病院の何十分の一人にすぎないというのではなく、よく自分の大切な家族をみていてくれたんだと満足して下さいます。