運動器疾患の老年看護計画・看護過程の特徴や展開 大腿骨頸部骨折

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特養看護師ことねです。

運動器疾患の老年看護について

高齢者の3分の1は骨粗しょう症があると言われています。よってちょっとした力が加わっただけで骨折をします。
骨折頻度として高いのは、

  • ①脊柱圧迫骨折(背骨)
  • ②大腿骨頸部骨折(足の付け根)
  • ③橈骨遠位端骨折(手首)
  • ④上腕骨外科頸骨折(腕の付け根)

の順でなかでも大腿頸部骨折は、寝たきりになる方が多く見られます。

治療法の基本は手術なのですが、高齢者の場合、手術に耐えるだけに体力がないなどの理由で保存療法になる場合があります。 保存療法の場合、文献もすくなく看護計画がなく困りました。そこで今までの経験をもとに急性期の看護を中心にまとめてみました。

大腿骨頸部骨折は、大腿部内側骨折と大腿骨外側骨折に大別されます。

内側骨折の場合は、基本的に骨がくっつく可能性はほとんど期待ができません。 数か月安静にしていれば痛みはなくなり、歩くようになりませんが車いすでの生活は可能です。 痛みがなくなったら車いすを使用するリハビリを始めます。

外側骨折の場合は、骨折の程度にもよりますが、安静にしていれば骨が接着している可能性が高いです。 3~4週間すれば一応骨は接着してずれなくなり、2~3カ月すれば、起立訓練を開始できるようになる可能性があります。

合併症として受傷後、数時間で、骨折部位からの骨髄脂肪が血管を経て流れ出し塞栓を起こし死亡に至る場合も少なくありません。 周囲の血管損傷に伴い大量の出血が予想され、出血性ショックを起こす危険性もあります。

骨折部の血流が悪いため折れた骨の壊死や、安静臥床により、寝たきりになるほか、肺炎、褥瘡、 急な受傷や入院・ベッド上拘束で、気が動転し認知症症状を起こすことがあります。

よって治療上の看護では、これらの合併症予防が重要です。 そして経過に見合った機能訓練や臥床による精神的ストレスに対する援助も同時に重要です。

アセスメント

・患者背景
既往歴
骨粗しょう症の有無と程度
認知症の有無と程度
基礎疾患の有無と減病歴
受傷の契機
受傷前のADLや歩行状況
疾患・治療に関する理解と認識

・全身状態
骨折部位の確認(X線検査・MRI検査結果)
採血結果より栄養状態・貧血チェック
バイタルサイン

・活動・休息
ADLの状況
活動制限の内容と程度
離床の目安
リハビリテーションへの意欲

・認知・知覚
骨折部の腫脹や痛みの訴え
下肢の神経障害の有無
局所の発赤、腫脹、熱感
発熱
下肢の深部静脈血栓症の徴候(患肢全体の腫脹、ホーマンズ徴候の有無など)
下肢の肢位
不安の程度と内容

・周囲の認識・支援体制
家族およびケアの提供者、キーパーソンの有無
退院後の生活様式の変更に対するケア提供者の不安の有無
身体機能の変化に対する受容と適応状態社会的・家庭的役割
経済状況、家屋の構造
社会資源の活用状況

看護問題の確認

  • 骨折による合併症が発生する可能性
  • 骨折、同一体位に伴う疼痛
  • 老化と急な生活環境の変化による認知症の出現
  • 生活に対する不安
  • 長期臥床による筋力低下
  • 長期臥床による排泄パターンの変化
  • 長期臥床によるセルフケア不足
  • 既存の慢性疾患の悪化の可能性

看護目標と看護(急性期)

看護目標
1.骨折による合併症の予防につとめ、異常の早期発見と対応ができる

T-P
骨折の程度・骨折部位の確認(X線検査・MRI検査結果)
バイタルサインの著変(発熱、血圧低下、SPO2の低下など)
下肢の深部静脈血栓症の徴候(患肢全体の腫脹、下肢・爪の色・ホーマンズ徴候の有無など)
局所の発赤、腫脹、熱感
脳・心・肺塞栓の症状
痛みの部位・有無や程度
脱水の有無 水分出納
採血結果の確認
認知機能の有無と程度
疾患・治療に関する理解と認識

O-P 定期的なバイタルチェックと観察
苦痛や変化など訴えやすい環境づくり(ナースコールの位置の工夫など)
水分を促す・輸液の管理
医師からの活動制限を守り動かせる関節は他動運動をする
下肢の良肢位を保つ(膝は軽く屈曲し、外転、せん足にならないようにクッションをあてる)

E-P 苦痛や変化などあったらすぐに知らせるように説明する。 医師からの活動制限を説明し動かせる関節の運動を促すように指導する。

看護目標
2.骨折・同一体位による疼痛が軽減する

T-P
痛みの有無・程度
バイタルサインの著変
局所の発赤、腫脹、熱感

O-P 定期的なバイタルチェックと観察
苦痛や変化など訴えやすい環境づくり(ナースコールの位置の工夫など)
下肢の良肢位を保ちながら体位変換(看護師2人で行う)
医師の指示の鎮痛剤の使用

E-P
苦痛や変化などあったらすぐに知らせるように説明する。
医師からの活動制限を説明し動かせる関節の運動を促す。

3.安心して安静療法が守ることができる

T-P
骨折の程度・骨折部位の確認(X線検査・MRI検査結果)
バイタルサインの著変
認知機能の有無と程度
疾患・治療に関する理解と認識
家族およびケアの提供者、キーパーソンの有無

O-P
不安の傾聴
不安を訴えやすい環境づくり(ナースコールの位置の工夫など)
食事・排泄・清潔などセルフケアができないところは介助するが、できるところは自分でできるように援助する。
日中は、リクライニング車いすを利用し散歩したりと昼夜に生活のメリハリをつける
必要時医師の指示のもと鎮静剤の使用
必要時ご家族に協力をしてもらう

E-P
安静療法の必要性を説明する
治療・離床の目安を説明する

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ことね
新人看護師時代、ICUに入職。泌尿器・麻酔科・口腔外科・耳鼻科の混合病棟、外科病棟と内科病棟の混合病棟、内科・皮膚科・内視鏡・整形・外科外来の混合病棟。様々な混合病棟で臨床経験を積み、現在、特養看護師です。それに加え、単発バイト、デイサービス、有料老人ホーム、健診、クリニックなどのアルバイトもやっていました。
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