以前、口腔外科で働いていた看護師ことねです。
最近、歯科クリニックでも口腔外科という看板を見かけるようになりましたね。
口腔外科の歯科との大きな違いは、顎関節領域の疾患に対する外科的処置および治療を行う科であり、入院をして治療する病気を扱うことが多いことです。
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口腔外科の患者さん
扱う疾患には骨折や外傷、舌や歯肉などの腫瘍、口唇口蓋裂などの先天性の奇形などがあります。 歯科の領域でもある虫歯や歯周病の治療で、心疾患や糖尿病、脳血管障害など重篤な基礎疾患があり一般歯科での治療が不可能な患者さんの受け入れ先としても稼働しています。よって、総合病院では、他科と連携しながら 治療を行っています。
口腔外科での看護師の仕事内容や役割
口腔外科の看護師の仕事は、病棟か外来で大きく異なります。
病棟の場合
他の診療科と同じように採血や静脈注射、バイタルサイン測定などの診療の補助や清潔ケアなどの日常生活援助を行います。
特徴的なのは、口腔外科は口やあご周辺の疾患を扱う診療科ですので、疾患や治療によって食事が口腔から摂れず経管栄養や流動食で過ごさなければいけません。また、口が上手く開けられなかったり舌の切除などにより、 発音が不明瞭になり上手く会話ができない患者さんが多くいます。食べるという基本的な欲求を満たすことができない上に自分の意思を上手く伝えられないストレスは大きなものです。
そのストレスをできるだけ軽減するように配慮しなければいけません。 食事は、どのような状態になったらいつごろから食事がとれるようになるのか説明します。 上手く話せない人には、文字盤や筆談を利用して、じっくりと患者さんの訴えに耳を傾けます。
顔は、常に外側にあり覆い隠せないものですので、特に女性の場合の外傷で、傷が残ったり変形せざる得なかったり… ボディイメージの変化が生じ大きなショックが加わります。 機能障害が残り元のように上手く話せなくなったり、食べられなくなったりすると、ショックを受ける方もいます。患者さんの不安や悲しみを受けとめ精神的なケアをしていくことが必要になります。
他、口腔外科独特な業務として、口腔ケアの指導です。口腔に疾患を持っている方が多いため他の診療科より専門的な知識や技術が必要となります。
外来・クリニックの場合
歯科衛生士や歯科助手との業務の線引きが曖昧な部分が多いと聞きます。 聞いたところによると、バイタルサイン測定や採血などは看護師が行いますが、口腔ケアやブラッシング、義歯の扱いの指導、バキューム類など歯科衛生士や歯科助手の仕事も看護師が行うことがあるそうです。
多くの人は看護師としてどこまでやるべきか?どこまでやっていいのかとまどい自問自答するようです。 その中でそれぞれの特性を最大限に活かすことを考えながら互いに協力しあうことによって、より良い仕事ができると悟っています。
口腔外科勤務をする看護師の本音(大変さ/難しさ/やりがい/楽しさ/仕事満足度など)
口腔外科の領域は、看護学校で専門的に学ぶことはありませんので、最初は戸惑いました。
勉強していくうちに普段何気なくしている食べること・話すことについてより詳しく知り、人間の体の機能の精妙さに驚かされます。 外傷で入院してくる人は、骨折や浮腫で顔の原型がなくなっていますが、回復するのが目に見えるので嬉しいものです。 その一方で、病気や治療で障害が残る患者さんがいて精神ケアの重要性を感じます。
口腔外科で働く看護師におすすめな参考書
口腔の緩和医療・緩和ケア がん患者と非がん疾患患者と向き合う 診断・治療・ケアの実際
永末書店 監修 杉原一正、岩淵博史
診断・処置・ケアについて事例が載っていて分かりやすく、すぐ活用できます。
頭頸部がん化学放射線療法をサポートする口腔ケアと嚥下リハビリテーション
Oral Care 著者 浅井昌大 全田貞幹 大田洋二郎 原田信
化学療法や放射線療法の口腔トラブルにはかなり悩まされます。そんな時に、この1冊があると役立ちます。
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