看護師が教える抗がん剤の血管外漏出時の対処法 まとめ

看護技術・看護ケア・キャリアアップ

看護師みなみです。今日は、抗がん剤の輸液をしている患者さんの血管外漏出を発見した時の対処法について、まとめてみようと思います。

血管外漏出って?

通常、血管の中に入るべき薬が、血管の外に漏れ出してしまった状態のことを言います。特に抗がん剤は薬効が強力なため、薬液と接触した皮膚が壊死・潰瘍形成を起こすことがあります。

観察のポイント

抗がん剤の投与時に、点滴刺入部の

  • 発赤
  • 腫脹
  • 熱感
  • 疼痛
  • 滴下

を確認します。

また、抗がん剤が血管外漏出した場合は、抗がん剤の種類も確認しておきましょう。

漏出時の対処法

まず、点滴を中止することが大切です。側溝から注射器を接続して、漏出駅の吸引を試みましょう。漏出直後、漏出針の抜去をして、解毒剤の投与について医師と相談します。スムーズに解毒剤投与を行うために、事前に次の物品を準備しておきます。

  • トレイ
  • リンデロン注 4mg 2アンプル 1ml
  • 1%キシロカイン3ml
  • 26Gまたは27Gの注射針
  • 酒精綿
  • 注射器
  • 未滅菌手袋

解毒剤は、リンデロンとキシロカインを合わせた物を4ml作っておきましょう。

注射は、漏出部の発赤よりも少し広めに8か所注射します。次に、冷湿布を行った後、ステロイド軟膏を漏出部に塗布します。

漏出部はマーキングをして、定期的に

  • 炎症徴候(発赤・腫脹・疼痛・熱感)
  • 水泡形成の有無(2~3日後)
  • 壊死や潰瘍の有無(2~3週間後)

について観察を行いましょう。

実際の血管外漏出の例

小児科では、輸液をしている子供は刺入部がシーネで固定されています。しかし、動きが活発な子供は予想外の動きをすることもあり、体動によってシーネが外れてしまい、刺入部の針が動いてしまうことがあります。

これによって、輸液が血管外に漏出してしまい、皮膚に潰瘍を形成することも珍しくありません。特に小児の皮膚は脆弱であるため、瘢痕形成することもあるのです。

血管外漏出による患者さんの苦痛を最大限に緩和するためには、血管外漏出を起こさないことがもちろん重要です。しかし、もし起きてしまっても、その後のリスクを軽減するために、早期発見と適切な対処が必要ですね(^^)

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