看護師のちぃです。
看護学生の時に学ぶ「車椅子の看護」。
今回はその車椅子の看護について学びを振り返ってみましょう。
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車椅子の看護で大事なことと対象の患者さん
車椅子看護で最も大切なことは「安全」です。
人の移動の基本は歩行になりますが、視力障害、麻痺、老化による機能低下や障害など何らかの原因によって歩行ができない場合に車椅子を使用します。車椅子で移動できると活動範囲が広がり、日常生活への満足感を得ることに繋がります。
車椅子の看護目標
看護目標は以下のような項目があります。
- 安全な移乗のサポートと指導を行う
- 移乗時に起こる転倒のリスクを軽減する
- 生活の活動範囲を広げるよう援助する
車椅子の看護における観察ポイント
観察ポイントは以下の通りです。
- 疾患・状態の把握
- 筋力低下の有無や状態
- バランス保持能力の有無や状態
- 理解力の有無や状態
- 可動域
- 障害の有無や程度、部位
- 安静度
- 医師の指示内容
- ラインやカテーテルの有無
車椅子の看護における移乗のポイントと手順
ベットから車椅子、車椅子からベットというように移乗の際に行う看護援助の手順は、以下の通りです。
- 車イスの整備をする
- ブレーキ、空気圧、破損の有無を
- 確認する
- 綺麗にベット周りを整頓し安全なスペースを確保する
- ベットの高さを調整する
- 患者さんの履き物を準備する
- ギャッチアップもしくは端坐位させ、患者さんが車椅子で移乗ができる状態であるかを観察する
- 移乗が可能であれば患者さんに履き物を履かせる
- 車イスのフットレストをあげてから、ベットに対し、20~30度の角度で健側に設置する
- ブレーキをかけて動かないことを確認する
- 自分の腰を落とし、患者さんの腰あたりに腕を回して覆うように抱える
- 患者さんに肩に腕を回してもらう
- 声をかけてタイミングを合わせて、そのまま身体を回旋させ車椅子に移乗させる
片麻痺の患者さんは、ベット柵を健側の手でつかみ立位となってもらう。看護師がサポートしながら、患者さんに健側の手で奥のアームレストをつかんでもらい、回旋しながら車イスの方へ背を向け、患側にゆっくりと座るよう誘導する 患者さんが座ったらアームレストを戻して足をのせる
全介助の時には、足をきちんと肩幅に開いて腰を落とすことがポイント! 自分自身も患者さんへの負担も減らすことができますし、安定度が増すので転倒リスクも軽減できます。
車椅子の看護における移送のポイント
車椅子で患者さんを移送を始める前には、
- 車椅子移送について患者さんに説明し、協力を得る
- 患者さんが車椅子上で安定した姿勢であるかを確認する
- 患者さんに装着されている輸液ラインやチューブ類、留置カテーテルの接続・固定などをしっかり確認し、安全の確保をする
- フットレストを下ろして足を乗せ、安全を確認してからブレーキ外し車椅子をゆっくり動かす
という流れで安全な移送ができる準備を整えましょう。
- 移送中は患者さんの状態に注意しながら、静かに移送することがポイントです。
- 車椅子は押している側だと気付きにくいですが、乗っていると意外と振動などで負担がかかるものです。
- 気分や乗り心地を聞き、快適な走行を心がけましょう。
また、走行中は患者さんの指や衣類、輸液ラインなどが車輪に巻き込まれないように十分注意しましょう。 輸液ラインなどは必要以上にたるませず、常に注意をすることが大切です。
車椅子の看護における走行のポイントと段差やエレベーターに乗り込む際の注意点
車椅子の走行のポイントとして、
- くだり坂は車椅子を後ろ向きにしてゆっくり支えながら下る
- エレベーターは前向きで乗り込んだら、扉と向き合うようにエレベーター内で車椅子の方向を変える
- 車椅子の方向を変えるのが困難と考えられる場合には、後ろ向きにして乗り込む
- 段差は患者さんに必ず声かけをし、前輪をゆっくりと上げて乗り越える
などがあげられます。
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