経鼻経管栄養の看護まとめ

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ナースフォローではいろいろな看護師が経鼻経管栄養に関する知識をまとめていきます。

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現役ナースが教える経鼻経管栄養の挿入方法や観察項目!看護師なら知っておきたい知識と技術 | 看護ハッピーQOL

チューブ挿入時には患者さんの協力が大切(by 長谷川)

経鼻経管栄養を挿入するときには、患者さんと一緒に行うことで、挿入しやすくなります。
鼻から口へチューブを入れることは、患者さんにとってとても不快なことで、誰でも抵抗してしまいます。
最初にわかりやすくどのように行うか、説明していきましょう。

鼻腔から食道へ入れなければいけません。
そのため、チューブを食道の手前あたりまで挿入したら、飲み込んでいただくのが大切です。
その時には、「飲み込んでください」「ごっくんしてください」と声かけるとわかりやすいです。

なかなか挿入できないときはどうしたらいい?(by 長谷川)

チューブの摩擦により挿入しづらいときがあります。
潤滑油や局所麻酔薬のゼリーを使用することで、痛みや苦痛が軽減され、挿入しやすくなります。

人にはそれぞれ、飲み込みやすい体位があります。
最初はファーラー位で行いますが、それでも入りにくい場合には、セミファーラー位や側臥位で行うことで、飲み込みやすくなります。
患者さんにより異なるため、その人にあった方法を考えていきましょう。

経管栄養の注意点〜栄養剤が逆流する患者さんのアセスメントと看護の実際(by ことね)

高齢者は、胃酸の分泌低下などで胃の排出不全や下部食道括約筋の機能低下により胃食道逆流がしやすくなっています。
胃食道逆流が起きると誤嚥性肺炎になるリスクが高まりますので予防するための看護を実践していきましょう。

・経管栄養を始める前に口腔ケアをしていますか
口腔ケアをせず、痰や唾液などで経管栄養中でむせて咳をした際に、栄養剤が逆流してくることがあります。

・注入する速度が適切ですか
その人によって胃排出する能力が違いますので調節しましょう。
注入する速度を遅くすると拘束時間が長くなり生活が規制されますので栄養剤の量や種類を検討してみましょう。

・栄養剤の量や種類が適切ですか
胃食道逆流の予防に対して半固形化または固形化した栄養剤は有効です。
胃ろうの場合は、逆流や誤嚥などを防ぐために、半固形化または固形化をした栄養剤を注入していることが多いです。
経鼻胃管の場合は、管が長いため半固形化または固形化した栄養剤だと詰まってしまうことがあります。
そのため胃の中で半固形化できる増粘剤もあります。
また、経管栄養を注入する前に胃内にどれくらい排出されず停滞されているかカテーテルで引いて確かめてみましょう。

・胃内の減圧をしていますか
栄養剤の注入前にカテーテルを吸引して胃内のガスを抜いて減圧しましょう。同時に胃内の残留量をチェックする目的もあります。

・便秘をしていませんか
かなりひどい便秘になると横隔膜が押し上げられるため吐き気を催し栄養剤が逆流することがあります。
医師と相談し排便コントロールをしましょう。消化管運動改善薬の使用で改善が見られることがありますが、パーキンソン症状をきたしやすいので注意して観察しましょう。

    

・体位は適切か
胃排出を促すために身体の右側に向けることが多いようですが、右側臥位では胃袋が噴門近くに移動するため嘔吐をおこしやすくするそうです。
胃の中のガスを出す目的ならば左側臥位の方が適切です。しかし、胃の形は人それぞれなのでその患者さんにあった理想的な体位を見つけていくしかありません。
上半身を30度か90度にすると、逆流予防となり胃内のガスを出しやすくなります。 

また、よく見かけるのは、ギャッジアップしてもベッドの下の方に体がずり落ち腹部が折れ曲がり圧迫している姿です。
この体勢で胃に経管栄養を入れられたら苦しいですよね。では、なぜそのような体位になるのでしょうか。
膝は曲がっていますか?ベッドの足のギャッジやクッションを利用して膝を曲げてずり落ちを防止しましょう。

また円背の方や関節が硬縮をして曲がっている人は、ベッドとそのすき間ができます。
すき間がある状態では、体位が安定していませんので苦痛に感じます。苦痛を感じると、自分で楽な体位を探して動いてしまうこともあります。
すき間をなくすようにクッションをあて体位を安定させましょう。

・背抜きをしていますか
ギャッジUPした時にきちんと背抜きをして圧を軽減していますか。
背抜きをしないと、呼吸に悪影響を及ぼし呼吸困難に落ちいることさえあります。
呼吸が苦しいと栄養の吸収が上手くいかず逆流の原因になることがあります。

関連記事:現場看護師長の知恵袋「背抜きの重要性」 | 看護ハッピーQOL

・薬剤の的確な投与
胃排出機能を高めるためにエイスロマイシンなどの薬剤を投与することがあります。
医師の指示に従い的確に薬剤の投与をしましょう。

さらに栄養カテーテル先端を幽門後に進めて、栄養剤が十二指腸・空腸に注入されるようにする方法もあります。

 

  

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