介護施設では、看護師が利用者さんの状態を適切に把握することが求められます。 利用者さんの状態を把握する方法として検査データがあります。 検査データとはいえ多くの項目があるため、これだけは知っておく必要のある内容を教えます。
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必ず確認する必要のある糖尿病
高齢者の中で最も多いとされている糖尿病ですが、初期では自覚症状がないため、悪化してから診断されることが多いです。 糖尿病を判断するには、血液検査がとても重要です。
- 空腹時血糖値が126mg/dl以上の場合
- 随時血糖値が200mg/dl以上の場合
しかし、この二つは前日や当日の食事内容に大きく影響されるため、必ずしも正確ではありません。
・HbA1c(ヘモグロビンA1c)が6.5%以上の場合
HbA1cは赤血球とブドウ糖がくっついたものを表します。 当日の食事ではなく、1ヶ月間の状態で数値が変動するため、糖尿病を確定する要素で一番重要とされます。
脱水に注意
高齢者は、筋肉量が少なく、体にためこむ水分が成人より少ないので、脱水になりやすいです。 その他にも、薬物の影響や、「のどが渇いた」という感覚が鈍いことから脱水になる可能性が高いです。 重度の脱水であれば、昏睡状態になるため脱水と判断できます。 しかし、軽度の状態では、症状が出ないときがあるため、血液検査から早期対処をする必要があります。
- BUN(血液尿素窒素)が21mg/dl以上の場合
- Ht(ヘマトクリット値)が高齢者は33%以上の場合
- Na(ナトリウム)が149mEq/l以上の場合
- Cl(クロール)が110mEq/l以上の場合
見落としがちな感染兆候
血液検査を行う場合には、体の病気に対して行うのが一般的ですが、検査データから感染兆候をみることができます。 運動後や疲れている時に、上昇することもあるため、異常値の場合は、原因を考えていく必要があります。
- CRP(炎症反応)が0,3mg/dl以上の場合
- WBC(白血球)が10,000/ul以上の場合
知らないと怖いカリウムの重要性
検査データの中にカリウムという電解質がありますが、一般的にはあまり知られていないものの、高齢者にとってはとても重要な検査データの1つです。 カリウムは、体の神経や筋肉を動かすためにとても重要です。 カリウムが不足してしまうと、全身がだるくなり、昏睡状態になります。 高齢者は、カリウムの吸収率が悪いことや、他の薬剤による副作用により、低カリウムになりやすいので注意していく必要があります。
- K(カリウム)が3.7mEq/lの場合
検査データには、これ以外にも大切な指標がありますが、高齢者と関わる場合には、最低限この内容は把握していく必要があります。 検査データから、重度に悪化する前に対処していきましょう。
執筆ライター:長谷川
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