今回は、看護師にとって最大の天敵ともいえる、褥瘡についてです。
褥瘡に対しては、体位変換やポジショニングを行うことも大切ですが、悪化している場合には、外用薬の使用方法が大切です。 看護師長が、実際に行って改善した経験を生かした、薬の使用方法を説明していきます。
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褥瘡治療の流れ
褥瘡は、本来予防を行うことで、未然に防ぐことができるため、褥瘡になる前に対処していく必要があります。 治療を行うにあたって、褥瘡予防は、必ず継続していく必要があります。
しかし、褥瘡ができている場合には、正しく処置を行う必要があります。 褥瘡の処置は、状態の経過観察をしている看護師が、状態にあった外用薬を考えていく必要があります。 褥瘡の深さや大きさ、出血や浸出液の量をみながら処置していきます。
褥瘡処置のワンポイント
褥瘡は、生理食塩水を使用し、適切に洗浄を行ってこそ、外用薬の効果がでる。
褥瘡処置に使用した、ドレッシング剤や外用薬を、そのままの状態にしておくことで、二次感染の可能性があります。 水道水や、精製水でも構いませんが、生理食塩水がしみることなく清潔を保てるため、オススメします。
外用薬の種類
外用薬には、大きく分けて、肉芽形成促進、表皮形成促進、抗菌剤に分けられます。 この3種類の外用薬を使い分けたり、合わせたりすることによって、褥瘡の処置を行います。
- 肉芽形成促進の外用薬 フィブラストスプレー、アクトシン、オルセノン
- 表皮形成促進の外用薬 プロスタンディン、アクトシン、リフラップ
- 抗菌剤の外用薬 ユーパスタ、ゲーベンクリーム
これ以外にも、外用薬はありますが、使用頻度が多く、使用しやすい物をあげています。
褥瘡の状態に合わせた外用薬の使用方法
褥瘡といっても、重症度や、状態に合わせた外用薬を使用しなければ、効果が軽減されてしまいます。 いろいろな外用薬を使用するのではなく、種類よりも、外用薬の質を見極めて使用することが大切です。
- 感染症を起こしている場合 ゲーベンクリーム
- 皮下組織や筋肉まで損傷を起こしている場合、出血量や浸出液の多い場合 ユーパスタ、ユーパスタとオルセノン
- 出血や浸出液は少ないが、ポケットが形成されている場合 フィブラストスプレーとプロスタンディン、アクトシン
- ポケットが浅くなっており、皮膚が欠損している状態 プロスタンディン、リフラップ
- 発赤がみられている場合、表皮剥離の状態 ワセリン
褥瘡の処置は、看護師の経過観察や、外用薬の知識によって、早く改善していきます。 適切な方法を学んで、現場に生かしていきましょう。
執筆ライター:長谷川
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