食事介助中の看護の観察項目~嚥下障害を疑う観察点とポイント

看護技術・看護ケア・キャリアアップ

看護師のことねです。

普段から食事の時の様子を注意深く観察していると嚥下障害に早く気づくことができます。 具体的なケースとその原因を織り交ぜながら、どのような観察項目や注意点があるのかをまとめてみました。

どんな時にどの程度むせるか

食べ始めにむせる→嚥下反射のタイミングのずれ(軽度の仮性球マヒに多い)

食事の途中からむせる→嚥下筋(ゴックンと飲み込むための筋肉)が疲れやすい、筋力低下

続けて飲み込もうとするとむせる→のどに食べ物が残っている、嚥下反射が弱い

液体のものだけむせる

咀嚼したものを口のなかでひと塊りにしておくことができない、
嚥下反射のタイミングのずれ
喉頭をうまく閉じられないなど

どんな時に咳がでるか

気管支炎など呼吸疾患による咳と間違えやすいです。

食事の途中から咳が出始め、食後1~2時間後に集中して出る→誤嚥した可能性

食後横になるとすぐに咳が出る→胃・食道からの逆流した内容物を誤嚥した可能性

痰の量と性状

痰の量は嚥下障害があると増加することが多く、痰に食物が混ざります。 特に食後に痰が増えます。

声の変化

食べると痰が絡んだような声になったり、ガラガラ声になっていませんか。 咽頭に食物が残留していると見られます。

のど(咽頭)の違和感

食後に「のどのあたりが何となく変」「のどに食べ物が残っている感じがする」と訴えが聞かれたら 咽頭に食物が残っていたり、のどや食道にできた腫瘍の原因にであることもあります。

食欲

最近食欲がなくなっていませんか。
むせるために、食べると疲れてしまって食欲がなくなっていることがあります。

食べ物の好み

汁ものをとらなくなった→軽度の嚥下障害、嚥下反射のタイミングのずれなど

パサパサしたものが飲み込めない→唾液の量が減ったなど

ごはんが食べられずお粥になっている、柔らかいものを好む→咀嚼能力の低下、舌の機能障害

食事時間・食べ方

以前に比べて格段に食べるのが遅くなっていないか、食べ方に変化がないか観察します。

口から食べ物をボロボロこぼす→顔面神経麻痺のため唇がうまく閉じられない
飲み込む時に上を向く→食べ物をのどの奥にうまく送りこめない
食べ物が口の中に残っている→口の中の知覚障害、舌の運動障害など

食事中の疲労

食べると疲れるのは、ムセのない誤嚥(不顕性誤嚥)の場合があります。 不顕性誤嚥は、誤嚥を何度も繰り返しているように粘膜の感覚が低下してムセが起きずそのまま誤嚥してしまうようになります。

体重減少

嚥下障害がかくれていることがあります。

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