以前、内視鏡室で働いていた看護師ことねです。
内視鏡検査は、皆さんご存じのとおり、内視鏡を患者さんに挿入して上・下部消化管・気管支内部を直接見ることができる検査です。 検査目的だけでなく治療にも活用されています。部分的な粘膜切除術や止血術などを行うことができ新しい技術の進歩が著しい分野です。 内視鏡室で働く前は、医師の補助がメインだと思っていましたが、働いてみると、仕事は多岐に及び、検査・治療をすすめて行くうえで看護師は非常に重要な役割を担っていることを知りました。
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内視鏡室の仕事内容や役割
内視鏡検査を受けるにあたり誰もが不安を抱いているものです。 強い緊張や不安は、検査の進行を妨げ危険を伴うことがありますので、患者さんの不安を軽減するように精神的ケアが重要になります。
それは、検査の前から始まります。内視鏡検査を受ける場合は、カメラの挿入部位に合わせて患者さんに絶食や下剤内服、いつも飲んでいる内服の中止など事前準備をしてもらう必要がありますので事前の説明は欠かせません。また、安全に検査が行われるために既往歴や内服薬、アレルギーなどの問診をします。 事前準備がなされていない場合、検査を中止しなければいけないこともがあります。
検査が始まれば、麻酔による鎮静がかかった患者さんの様子をうかがいながら医師の指示に従い粘膜に色素を散布したり、組織を摂る介助をします。
麻酔の残留によって検査後も一定時間の食事や生活の制限があるため、十分に指導・説明することは欠かせない仕事となっています。
検査後の内視鏡や周辺機器の洗浄やメンテナンスも看護師が行います。
夜勤はありませんが、病院によっては、緊急検査でオンコールを求められるところがあります。
内視鏡室勤務をする看護師の本音(大変さ/難しさ/やりがい/楽しさ/仕事満足度など)
1日に数件~十数件の検査が行われます。なるべく苦痛が少なくスムーズに検査が終わるように状況判断をして迅速に対応をしていかなければいけません。 内視鏡の機器はとても精密でデリケートなため慎重な取り扱いが必要です。 最初は、機器について覚えることが多く大変かもしれませんが、繰り返し行いますのですぐに覚えられます。 医師によってそれぞれ検査に対するこだわりがあるので、それを覚えるほうが意外と大変かもしれません。
また、スキルアップとして内視鏡技師の資格を取得することができます。そのためには、学会に所属する専門医のもとで介助実績があることが条件です。 そして学会主催の講習を受けて、認定試験に合格しなければなりません。
内視鏡のことを詳しく知ると、その精密な機能に感動を覚えます。発明は海外ですが、開発は日本でされたことを知りさらに感激をしました。 最近では、カプセル内視鏡が開発され他の分野よりも技術の進歩がめざましく、それにあわせ常に新しい技術と知識を習得する姿勢が必要になってきますが、 知的好奇心を十分に満たしてくれるでしょう。
内視鏡室での仕事は特殊で専門的であるため、一般的な看護師のスキルアップを希望する場合は物足りなさを感じるかもしれません。 一般の病棟勤務で働けなくなるのではと心配になる方がいるかもしれませんがそんなことはありません。 内視鏡で養った様々な経験は、プラスになることが多いものです。
内視鏡室で働く看護師におすすめな参考書
内視鏡技師&ナースのための 消化器内視鏡ガイド 学研メディカル秀潤社 編集:田村 君英 写真が多く分かりやすいです。初心者の方におすすめです!
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