脳神経外科に勤務経験ありのナースの、ののんです。今回は、脳血管障害患者の褥瘡予防についてお話したいと思います。
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褥瘡とは
圧迫・摩擦・湿潤といった刺激が一定時間皮膚に加わり、血流が途絶えることにより組織が障害を起こした状態をいいます。 褥瘡の要因として、意識障害・麻痺などにより自身で寝返りができない、皮膚の圧迫・摩擦がある、低栄養状態にある、皮膚が乾燥している、高齢である、皮膚が汚染されている・湿潤していることなどが挙げられます。
脳血管障害と褥瘡
脳血管障害患者の多くが大なり小なり褥瘡の要因となる意識障害・麻痺を起こしています。 そのため、脳血管障害患者の看護には褥瘡へのケアが不可欠となります。
ベッドに臥床している時間が長い脳血管障害患者は、自身で寝返りをするのが難しいこと・知覚障害により痛みを感じにくいこともあり一度褥瘡ができてしまうと治癒するまで長い時間を要する場合がほとんどです。 そのため、褥瘡を発生させないよう病棟で管理ししっかりと予防をすることがとても重要になります。
脳血管障害患者へ対する褥瘡予防
褥瘡を予防する方法としては、頻回な体位変換・除圧マットレスの使用・清潔の保持・栄養状態の管理・皮膚の保湿が主になります。 その中でも脳血管障害患者に対する褥瘡予防には、体位変換が最も重要です。 体位により褥瘡好発部位(仙骨部・大転子部・踵などの骨突出部)は異なりますので、しっかりと把握して続けて同じ骨突出部が圧迫を受けないように体位変換を行う必要があります。 患者の状態によっては車椅子移乗可能なこともあると思いますので、そのような場合にはできるだけ車椅子移乗の時間も取り、体位を一定にしないようにしましょう。
脳神経外科病棟では、ラウンドにて2~3時間おきに体位変換を行うことが多いですが、ラウンド以外の時間にもしっかりと患者の状態を確認し体位変換・除圧を行うことが必要です。
とはいえ、予防していても褥瘡ができてしまう場合も多々あります。 もし褥瘡ができてしまったには早期発見・早期治療が重要となりますので、患者の全身をしっかり観察して早期発見に努めましょう。
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