現役看護師が教える与薬のポイントと注意事項(基礎看護技術のまとめ)

看護技術・看護ケア・キャリアアップ

看護師みなみです。医師は、患者さんに有効な薬を処方し、薬剤師はその処方に基づいて薬を調合します。 そして、処方に基づいて患者さんに与薬するのが看護師であり、正しい方法で安全に与薬するという役割があります。今日は、与薬についてのポイントをまとめていきますね(^^)

薬剤の吸収速度には差があるの?

薬剤の吸収速度には差があり、血中濃度が高いほど、体内に吸収されているということになります。主な薬剤の投与方法の中で、吸収速度が速い順に

  • 静脈注射
  • 吸入
  • 筋肉注射
  • 皮下注射
  • 経口与薬

という順番になります。経口与薬では肝臓で代謝されるため、細胞への吸収は最も遅くなるというしくみなのです。

看護師が与薬時に確認したい!6つのR

安全な与薬を実施するための、6Rについて確認しておきましょぅ。

  • 正しい患者(Right Patient)
  • 正しい薬剤(Right Drug)
  • 正しい量(Right Dose)
  • 正しい時間(Right Time)
  • 正しい方法(Right Route)
  • 正しい記録(Right Record)

安全な与薬を行うのが看護師の役割であり、与薬における最後のセーフティネットが看護師による6Rの確認です。薬剤準備時と投与前に必ずこれらの項目を確認して、インシデントを予防する努力が必要です。

看護師による与薬 注意事項まとめ

与薬による医療事故やヒヤリハットは毎年報告されています。特に小児については、投与単位を間違えると命に関わります。

医師が処方量を間違い、患者に重大な後遺症が残ってしまった場合についても、その責任は薬剤を投与した看護師の責任になるため、注意が必要です。与薬時の注意事項として

  • 患者さんの薬剤アレルギーを確認しておく
  • 与薬後の一般状態を観察することで、薬の効果をアセスメントする
  • 嚥下が困難な患者さんに対しては、トロミをつけて工夫する
  • 同じ種類の薬でも、1錠中の含有量が異なることがあるため、mgと数の両方を確認することが大切
  • 調剤された薬剤を管理するのも看護師の役割である。薬の保管は冷蔵庫、冷所、遮光、室温など、薬剤に適した方法を選択する。

等があげられます。

自分の身を守るためにも、患者さんの苦痛を最小限に抑え、安全・安楽に予約を行うことが大切ですね♪

ほかにも看護技術記事があります。
回復期・産科・精神科・介護施設の経験あり。現在、看護師長(プラス保健師) ライター長谷川さんの執筆記事一覧

ナースフォローがはじまりました!もっと与薬について詳しくなりましょう!

ナースフォローについて

経口与薬のワンポイント(by ことね)

NS follow(みんなで支えよう企画)!〜Expert NSの知恵袋!!

経口与薬では、嚥下困難のある人・認知症を患っている方などは、薬を口に入れ飲み込むまで見守り確認することが必要です。「飲んだ」と言っても、ポケットにしまいこんでいたり、ティッシュに吐き出してくるんで捨てたりしている場合もあります。最後に口腔内を見せて頂きましょう。

その患者さんにとってどの薬の形態(粉薬または水薬など)が飲みやすいのか事前にアセスメントして処方してもらうと服用する時に困りません。

また、錠剤を粉砕するときは、薬剤師に確認してから粉砕しましょう。 粉砕することにより薬効が低下したり、空気中に舞ったのを吸い込み影響がでたりがあります。

してはいけない薬と食べ物の組み合わせの豆知識(by ことね)

NS follow(みんなで支えよう企画)!〜Expert NSの豆知識!!

小児・認知症の方などにお薬を飲んで頂くときは、薬を食べ物に混ぜることがありますが、 一緒に飲むと相互作用によって効果が得られなくなることがありますので注意が必要です。 きちんと、薬の説明書の注意事項などで確認しましょう。 水で飲むことが原則ですが、飲みにくい場合は内服用の味がついたゼリーが市販にもありますので活用すると便利です。

主な組み合わせ

あんこ・ゼリーなど糖分の多いもの × 解熱鎮痛剤 アセトアミノフェン
糖分の多いあんこなどと一緒に服用すると、薬の成分の吸収が遅れたり悪くなったりします。

牛乳・ヨーグルトなどの乳製品 × 抗生物質・角化症治療薬・白癬症治療薬
抗生物質は、薬の吸収が低下したり抑制されたりします。 角化症・白癬症治療薬は、成分の吸収率が増加し薬が効きすぎてしまいます。

納豆・緑色野菜 × 抗凝固剤 ワルファリン
これらの食品は、ビタミンKを作り出したり含まれたり…ワルファリンの作用を妨げます。

グレープフルーツジュース × 降圧剤・抗狭心薬
動悸やめまいなど副作用を誘発します。

執筆ライター ことね

ほかにも看護技術記事があります。よかったら一緒に読んでいってください。
救命や小児科で働いたメンズナース1号の執筆記事一覧
障害施設や特養などで働いてきた看護師ぴのひなさんの執筆記事一覧 | 看護ハッピーQOL

コメント

目次に戻る!
タイトルとURLをコピーしました