看護師えつこです。
今回はALS患者の呼吸管理についてご紹介していきます。
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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者数について
ALSはいまだ原因不明で治療法未確立の指定難病に位置づけられています。
難病法施行により特定疾患から指定難病へと名前が変わっています。
これにともない医療費助成となる疾患が急速に増加しています。
従来は56疾患となっていましたが現在は306疾患まで増加しており、対象者も78万人から150万人となっています。
ALS患者の看護は呼吸障害の兆候を主観的情報と客観的情報から観察する
自覚症状である主観的情報として、労作時の呼吸困難が出現してきます。
労作時に息が切れるようになってきた場合には特に注意をしていきましょう。
そのほかには睡眠に支障がでてきます。
眠りが浅くなり、夜間覚醒が出現してきますので睡眠の質も大切になります。
客観的情報としては、咳嗽反射が鈍くなり痰の喀出が困難になってきます。
嗄声が出現し言葉が途切れてきます。
換気量が低下し経皮動脈血酸素飽和度の値も低下してきます。
ここで注意をしなければいけないことは、本人の呼吸苦と酸素飽和度の値は必ずしも一致しないところです。
瞬時に状況を察知して見極めていかなくてはいけません。
ここがALS患者の看護で難しいところかもしれませんね。
看護の視点から非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)を導入する目安とは?
非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)とは、気管切開なしでマスクを使用して換気を行う治療法です。
侵襲性が少なく身体にやさしい人工呼吸療法として最近注目をされています。
呼吸状態が悪化したときに導入されるもので、一つの目安としてPaCO2が55~60mmHg以上となっています。
ここで看護の大切なポイントとして、明らかな呼吸困難を感じる前に装着しておいた方が、NPPVを成功させることにもつながってきます。
はじめは短時間からスタートしていき、少しずつ装着している時間を延ばしていきます。
夜間中心に移行していき、1日6時間以上装着できることが成功の秘訣ともなります。
ALS患者の人工呼吸療法は一時的なものではなくその後もずっと継続されていきます。そう考えると看護は真の緩和ケアが大切となってきますね。
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