私が精神科ナースを目指したきっかけは「17歳のカルテ」 小説と映画を比べてみる

看護エンタメ部(一般人も読んでね♪)

精神科ナースみなみです。今日は、私が精神科ナースを目指すきっかけともなった映画と、その原作小説についてご紹介させていただきます。

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17歳のカルテ

1999年のアメリカ映画で、主人公のスザンナは、大量服薬を図って精神科に入院させられました。そこで、同じく入院生活を共にする様々な入院患者達との出会いややり取りが、映画の中に描かれています。

境界性人格障害と17歳のスザンナは診断されました。この病気の症状は、自傷行為、衝動的な行為、見捨てられ不安、漠然とした不安や空虚さ等が挙げられます。

入院の原因となった大量服薬は、抑うつによる衝動的な行為だと考えられます。境界性人格障害の患者さんは感情の変動が激しく、笑っていたと思ったら急に落ちこむこともありますよね。

スザンナは映画の中で、「私は自分の気分がわからない」「私の手には骨がない」ということを話しています。これは、精神症状の一つの解離であるとも考えられ、思春期のモラトリアムにいる主人公の不安定な情動を表しているとも言えるでしょう。

Girl, Interrupted.

映画の原作になったのは、スザンナ・ケイセンによるノンフィクション小説です。小説と映画の違う点は、映画がストーリー形式で進んでいることに対して、小説は著者が出会った人々や体験が細切れに書かれている点です。

また、小説には無い点として、映画では彼氏が徴兵されるという描写があります。原作にはカルテの写しと思われる用紙が掲載されています。

Diagnosis(診断名)でBorderline Personality Disorder(BPD:境界性人格障害)と書かれているという点から、アメリカでは日本より早い時点でこの病気が知られていたということがわかります。

医療者の視点から

映画と小説の中には、主人公をBPDだと診断できる要素が少なく、懐疑的な気持ちになりました。しかし、BPDそのものの診断も精神科医ですら難しく、その治療法も確立されていないのが現状です。それでも、主人公が自分の向き合い、薬物療法や心理療法を行いながら退院するその姿は、精神科で働くナースとして知っておきたい、患者さんの心理を理解する上で大いに役立ちました。

BPD以外にも、摂食障害や人格障害の患者さんが出てくるので、特に思春期の精神病理に興味がある人にはお勧めです(^^)

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